腰痛を避けるコツ「職場を見極めることが大切」

ノーリフトを採用しているかどうか

近年、看護師の腰への負担を考慮し、「ノーリフト」を採用する職場が増えてきています。「ノーリフト」とは、人力だけで移乗などの作業を行わないことです。人力で持ち上げようとすると腕や腰に余計な力が入りがちです。しかし、移乗リフトやスライディングボードと呼ばれる特別な補助具を使用することで、力を入れず楽に移乗することができます。看護師の負担を減らすのはもちろんですが、患者の不快感や皮膚へのダメージを軽減したり、視界が変わることで患者の自立意識を高めたりする効果もあります。
日本看護協会の腰痛予防指針でも「人力で人を持ち上げてはならない」という原則があるため、ノーリフトを採用することが望ましいとされています。しかし、補助具を導入していても入浴時にしか使わないなど、「導入しているから安全」とはいい切れないケースもあります。そのため、補助具の導入だけでなくどのような場面で使用しているのかもしっかり確認しておかなければなりません。

ストレスが少ない職場かどうか

腰痛予防を考えるなら「ストレスが少ないかどうか」という視点も重要です。腰に負担がかかる姿勢を続けていると疲労が蓄積するため腰痛を悪化させてしまうのはもちろんですが、仕事のやりがいが感じられない、職場のサポートが不足しているなど、いわゆる心理的・社会的ストレスが腰痛の原因になっているという指摘もあります。なるべくストレスが少ない職場を選びましょう。ただし、何がストレスになるかは人それぞれです。自分がストレスを感じている状況と向き合い、どのような環境がベストなのか自分で把握することも大切です。

業務内容をしっかり確認しよう

もし転職を考えているなら、面接では腰痛があることを必ず伝えてください。事前に伝えると転職活動が不利になってしまいますが、伝えずに面接を通過しても入職後に職場に迷惑をかけてしまいます。「腰痛があるので患者の移乗はあまりできません」とはっきり伝え、腰に負担が少ないことを考慮してくれる職場かどうか確認しましょう。不採用になっても、腰に負担がかかる業務が多い職場だったとわかるだけです。残念な結果に落ちこんでしまうかもしれませんが、そのような職場で働いても腰痛を悪化させるだけです。むしろ、そのような職場に転職しなくてよかった、と前向きに捉えましょう。

転職エージェントに相談しよう

対策しても腰痛が緩和されないと感じるようなら、我慢せず、腰への負担が少ない職場に転職するのも1つの方法です。職場環境は実際に働いてみなければわかりません。1人で最適な職場を探すのは大変ですが、看護師の転職に特化した転職エージェントなら状況や希望に合わせて最適な職場を紹介してくれます。1度相談してみてはいかがでしょうか。