腰痛に悩んでいる人も少なくありませんが、特に看護師や介護士など医療・福祉分野で働いている人が多くの割合を占めています。改善するためには組織全体で取り組まなければならないでしょう。
職場で腰痛を訴える人が多いことを受け、2013年6月に「職場における腰痛予防対策指針」が19年ぶりに改訂されました。これは、健康管理だけでなく、職場における腰痛の原因となる危険因子の除去・低減を目的としたものです。改訂された指針では腰痛予防対策として、リスクアセスメントの手法とリスクアセスメントに基づく労働安全衛生マネジメントシステムを推奨しています。
リスクアセスメントとは、労働者が行う作業ごとに腰痛につながる可能性のある危険因子(要因)を特定し、その傷病の程度(腰への負荷の程度)や傷病が発生する確率を作業の頻度や時間などから想定して、1つの作業ごとにリスクの大きさを評価し、リスクの大きいものから対策を検討、実施することです。一方、労働安全衛生マネジメントシステムは、職場の労働安全衛生水準の向上を図ることを目的とした安全衛生管理の仕組みのことです。
この指針では、一般的な腰痛予防対策に加え、腰痛が比較的多い5つの業務(重いものを持ち上げる、立ち仕事、座り仕事、医療・福祉分野の看護や介護作業、車両運転)について、腰痛予防対策を定めています。
改正された指針では、医療・福祉分野における看護・介護業務について、「高齢者施設や障害児施設、保育所などの社会福祉施設や、医療機関、訪問介護・看護、特別支援学校などの施設で看護・介護業務を行う場合は、体重の負荷や姿勢の固定、前屈・後屈など不自然な姿勢による業務を繰り返すことで、腰に過重な負担が持続的にかかり、これが大きな要因となっている」と指摘されています。
そのため、事業者には「腰痛の発生に関与する要因の把握」「リスクの評価」「福祉用具の利用や作業姿勢・動作の見直し、実施体制、作業と休憩の組み合わせ、健康管理などリスクの回避・提言措置の検討及び実施」「リスクの最小化や対策の見直し、もしくは実施継続」などの対策を講じるよう求めています。
医療・福祉の現場では、腰痛を引き起こすような働き方をしたり、痛みに耐えながら働き続けたりすることは、労働者・対象者双方の安全を阻害し、看護・介護のサービスの質の低下につながるといわれています。そのため、「新福祉人材確保指針」(厚生労働省より告示された「社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針」の略称)では、「労働者の心身が充実した状態で働けるよう、健康診断の一層の充実を図るとともに、腰痛対策などの健康管理措置を推進すること」とされています。
転職エージェントは多種多様にあります。その中から自分に合うエージェントを選ぶことが転職成功の近道です。押さえておきたいポイントや当サイトがおすすめする転職エージェントを紹介するので活用してください。
腰痛を悪化させたくないなら日々の業務で腰に負担をかけないことが大切です。職場環境が非常に重要になってきますが、看護師の負担軽減を考えている職場かどうかはどうやって見極めればいいのでしょうか。
まずは体の歪みを整えるために姿勢を正すことを意識しましょう。体を柔らかくすることで腰への負担が軽減できるからです。また、余計な力が入らないように、ボディメカニクスを活用するのもおすすめです。