腰痛が慢性化すると看護師の仕事にも支障をきたしてしまいます。そうなる前に予防することが大切ですが、そもそもなぜ看護師に腰痛が多いのでしょうか。
腰痛になると看護師の仕事はもちろんですが、日常生活のあらゆる動作が困難になります。立ったり座ったり、前屈みになったり、しゃがんだりなど今まで何気なく行っていた動作が不自由になってしまうのです。腰痛が軽度であれば痛みに耐えながら仕事をすることも可能ですが、痛みが悪化し慢性化すると業務全般に支障をきたしてしまうため、看護師を続けられなくなる可能性が高まります。
慢性化した腰痛は改善するまで時間がかかります。看護師を辞めたからといってすぐに改善するわけではありません。症状によっては数年かかることもあります。ギリギリまで痛みに耐えながら仕事を続けていると改善するまでかなりの時間を要するため、看護師を辞めても日常生活に何らかの支障をきたしてしまうでしょう。
日本看護技術学会誌の調査によると、看護師の半数以上(54.3%)が「現在、腰痛がある」と回答しました。また、過去1ヶ月以内に「腰痛がいつもあった」「時々あった」と答えた人は74.7%でした。つまり看護師の4人に3人が腰痛に悩んでいる、ということです。
また、腰痛に悩んでいる人のうち、「休憩しないと仕事を続けられない」と答えた人は2.4%、「かなり痛いが休むほどではない」と答えた人は25.1%と、4人に1人は強い痛みを感じながら看護師の仕事をしていることもわかっています。
看護師の仕事は多岐に渡っていますが、その中で腰痛に耐えながら業務をするのは大変、苦痛に感じるものは何か、という質問に「ベッド上での体位変換・移乗」に最も多くの人が回答していました。それに「患者の移乗」「おむつ交換」「入浴介助」が続いています。
このように腰痛に耐えながら仕事をしている看護師はたくさんいます。しかし、業務の積み重ねによる腰痛が労災として認められるかといえば、時と場合によって異なります。
労災と認定される腰痛の多くは、業務中の負傷など原因事象が明確なものに限られます。つまり、日々の業務の積み重ねがある日突然腰痛を引き起こしても労災とは認められにくい、ということです。自分自身で腰痛から身を守るしかありません。
以下に参考資料として腰痛が労災認定されるための要件や請求方法、受給できる労災保険給付の種類などを詳しく解説しているサイトを紹介しています。いざという時に慌てないように事前に目を通しておくといいでしょう。
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腰痛を悪化させたくないなら日々の業務で腰に負担をかけないことが大切です。職場環境が非常に重要になってきますが、看護師の負担軽減を考えている職場かどうかはどうやって見極めればいいのでしょうか。
まずは体の歪みを整えるために姿勢を正すことを意識しましょう。体を柔らかくすることで腰への負担が軽減できるからです。また、余計な力が入らないように、ボディメカニクスを活用するのもおすすめです。